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起きたから書くか…以下、敬称略です。

今回は例年になく緊張感、というか実感の湧かない定演であった。一区切りあった気分がしなかったのである。前日あたりももはやいつもと同じような感じで、明日が本番、という空気ではなかったように思える。これは僕が年をとったからなのだろうか?

迎撃が会場となるということは僕は勝ったも同然である。それでも当日は朝7時に起きようと頑張った。が、いくつものアラームを無視し、結局最後は9時半に活動を開始することとなった。一時期は1限に出れるのか出れないのか2限にはみたいな話をしていたこともあったが、蓋を開ければ行かないことになるというのは少し考えれば分かることだった。11時15分集合というのは素晴らしい。もっと遅くてもいいんじゃないかと思うぐらいだ。などと言うとステージのアホどもにブッ飛ばされるのだろう。

朝は曇ってはいたものの、ここ数日が雨で寒かったことを考えるといい天気と言っても問題なかった。しかし湿気が強くて思いのほか暑い。季節には季節の匂い(雰囲気的なものではなくて)があるのは承知の通りだと思うが、その日は6月のそれであった。おとなしく電車で行けばよかったのだが、経済不安のためか、はたまた時間的な都合か、歩いて迎撃へ向かうこととなった。

ブンセで食い物と飲み物を買い、F太郎で栄養ドリンクを買った。演奏会当日の食事は貧相になりがちである。他団手伝いに行ったときの方がよっぽどいいものを食える(例えそれが海苔弁であったとしても、だ)。おにぎりをひとつ、カレーパンをひとつ買った。何か考えていたわけではないのだが、今まで演奏会の日は必ずカレーパンを持ってきていたような記憶がある。特にいいことがあったとかは無いが、流れで今日もそういうことになったのである。

迎撃の屋根の下にはすでに15人ほど男が集まっていた。あdcは俺を見るなり「おいどうなってんだ」と絡んできた。何かと思えば前日のブログについてであった。セカンドの頂に立つものとして、四天王(彼は四天王とは別枠の「チャンピオン」として取り扱うこととなった)の活躍が何よりも嬉しいに違いない。パートマスターという仕事は損な役回りであるが、その中でもセカンドをまとめ上げようとするには特別大きな労力を要する。損であるとしか言いようがない。あdc、乙。そしてmtb、安らかに眠れ。ちなみにチャンピオンは風邪を引かず、集合時間ギリギリに現れた。前日の行動について問いただされても、「おいしかったです」と答えたと言う。

控え室はいつもの中会議室である。パンフレットが搬入されていたので、皆に配布してしばらくは読書一色の時間が始まった。今回のパンフレットは、いかにも100回のしがらみが影響した感漂うデザインになった。優等生的にまとまっているが、製作者のやりたいことはまた違っていたのではないだろうか。これも嫌いではないが。

ステリハは、いいや。特に何もないだろ。

控え室に帰ると、見覚えのあるおっさん達がいた。いわゆる05男である。萩の月などなど、うまかったです。お礼を言っておいてください。tmknは酷くスリムになった。僕は一人暮らし1年で8キロ痩せたと言ってよく引かれたものだが、何となく分かっていただけたものと思っている。

そうして開演を迎えた。迎撃のベルの音もそろそろ飽きてきたと思っている奴も多いことだろう。OBとのしがらみで今回より校歌のアレンジが変更となった、というか古いOB仕様に戻され、2番も歌わなければならなくなった。練習の時間はほとんどなく、最後の最後まで「音が取れてないわけだが」「2番わかんね」という声が僕を筆頭にあちらこちらから聞こえた。本番のステージではベースの某氏が堂々と旧版を歌い上げ、またしてもすべらない男である。

定演の実感が湧かないのは客が入っているせいもあるのだと思う。これまでの流れから言ってもこの客の入りは現実ではないと思っている人間が少なからずいたはずだ。ステリハの最中も、いつもの客席を見ながらここが埋まるという状況はにわかには信じ難かった。僕らは客席の隙間に慣れすぎている。これも8割体質なのか?まあこの御時世合唱で人を入れるなんて難しいという中、OBが来ないとどうしようもないんだけどね。

今年は広告活動に力が入っていた。色んな掲示板に宣伝に行っていたようだし、2ちゃん合唱板にまで宣伝が爆撃されたようだ。色んなスレにマルチしすぎで各地で叩かれていた。あと3年ロムってろ、と言いたいところだが、もしかしたら外部もしくは内部のアンチによる故意犯の可能性もある。しかしこれが内部による宣伝工作の一環だったとしたら恥ずかしい限りだ。氏ね。

ブロードウェイは、いいや。楽しめました。
南国も、いいや。3月はうまくいけばいいね。

そんなこんなで終演を迎えた。レセがラパウザでないのには違和感を覚えるどころか不安感すら漂う。奥は学生の隔離部屋のようになり、向こう側の様子は見えないわ話は聞こえないわで何だかよく分からないまま時間が過ぎていく。しかしそんな若者を尻目に、大人たちはやたらと盛り上がっていた。あるピアニストも今期は終始上機嫌であった。カミトモでおなじみの白髪の御大は今日はやたらと長居をしていた気がする、というか最後までいた。そして空気を読めない若手作曲家。そんな銀座ラなんとかであった。

梅太郎(mtbによれば店の名はこうだ)で打ち上げである。僕ら、07ベースの最初のパート会の地だ。まさかの貸し切りとなった。男女共催の打ち上げだ、あるべき姿はどういうものか、頭では分かっているのだが、じぇt、tんk、押尾、tksk、おkmrらと共にいきなり3男マネ系テーブルを作り上げた。通りがかりの4男から「女声と絡めよ」とたしなめられるものの、皆で「3男ばんざーい」と両手を高く振り上げてこれを一蹴した。アホばかりである。思いのほか打ち上げは盛り上がったように思える。ただ僕は最初から最後まで同じ場所に居座ったため他がどんな状況だったのかは定かではない。誰かが禁煙を破るような出来事もあったが、アレを聞けばやむを得ないものと思う。まあ、詳しくは、追い追いということで。

4時半、打ち上げは流れ解散となった。西口公園へ行く組もいたので、僕も帰り道の都合上そのグループと行動を共にした。よく分からないがいつの間にか時計は6時30分を指していた。多くの人間は帰ってしまい、残っていた人間も大学の開門を待つべくマクドへ備品を運んでいった。そしてそこには荷物運びだけの人間の荷物番の僕と、ついさっきまでキャプテンだった男の2人が残った。空はだんだんと明るくなり、芸術劇場も相変わらずそこにいた。西口公園のオブジェの向こうで、ガラス屋根が空の色を反射して11月15日の始まりを告げるとき、何となく、ひとつが終わったことを感じたのである。sktは誰かからの呼び出しを受けて駅の方へ消えていった。それを見送ると、朝焼けの空に浮かぶ雲はいつもより速く流れていた。その後すぐにマクドから戻ってきたtんk、mtbと結局電車で帰った。そして寝た。

これで終わりだ。大指揮者が言うところの星(チャンピオンではない)を見ることはできたのだろうか?結局当日から翌朝まで雨は降らなかった。いい天気予報じゃないか。当たってくれれば格別の喜びだ。定演も終わりではなく始まりだ、承認会だけではない。来年はどんな朝を迎えることができるのだろう。とりあえずやる事が増えたのは確かである。

じゃ、がんばりましょう。

おまけ:嬉しそうなskt氏