たまにはシュールに

髪を切った。髪を切ったということは髪が伸びたということであり、髪が伸びたということは時間が経ったということで、さらにそれは貴重な大学生活の時間がまた一つ減ったことに他ならない。僕は小学生時分から髪を切るのが嫌いだったが、無意識的に時間が進むことを忌避していたのかもしれない。んなわけないですよねー。正しくは技術の無い散髪屋はスポーツ刈りしかできず、そのスポーツ刈り、今で言うところの4男の変臭淫擦(あくまでも親しみを込めた呼称であることを理解しなければならない。そして僕もまたそんな名前の役職の一翼を担っているわけだが)氏みたいな髪型が嫌だったというただそれだけの話である。じゃあ注文をつけろよと言いたくなるかもしれないが、そもそも技術がないからどうしようもない。じゃあ美容院に行けよと思うかもしれないが、「あんたなんか1000円の床屋で十分」と、連れて行ってもらえなかった。そんなわけで僕の髪が伸びてきたな、と思ったら時間の流れに必死で抗っているんだな、と思ってほしい。

「お電話ありがとうございます、立教グリー、コンサートマネージャー本部でございます」
「あ、もしもし、定演の予約をお願いしたいんですけども」
「パートとお名前をお願いします」
「ベースの(お察しください)と申します」
「はい、(お察しください)さまですね、当日はカットのみでよろしいですか?」
「あ、カラーもお願いします」
「かしこまりました。では夏合宿中に一度幹部部屋までお越しください」
「あ、(スタンツが嫌だから)夏合宿行かないんで」
「いますぐキャプテンの自宅へお越しください」